019-624-1363 (土日祝日除く 8:30~17:15)

新型コロナウイルス感染症に係る有期契約労働者、パートタイム労働者及び派遣労働者の方々並びに新卒の内定者等に対する配慮に関する要請(厚生労働省)

中央会からのお知らせ2020年04月07日

厚生労働省からのお願い

日頃より、労働行政の推進に格別の御配意を賜り、厚くお礼申し上げます。
新型コロナウイルス感染症の影響により、人や物の動きが停滞し、事業活動を縮小せざるを得ない事業者が生じており、経済全般にわたって甚大な影響をもたらしているところです。
3月6日に新型コロナウイルス感染症に係る雇用維持等に対する配慮に関する要請をしたところではございますが、特に、急激な事業変動の影響を受けやすい有期契約労働者、パートタイム労働者及び派遣労働者並びに新卒の内定者の方々等については、その解雇・雇止め等やそれに伴う社員寮等の退去により、生活の基盤を失うおそれがあります。
つきましては、下記の事項につきまして、なお一層のご協力をお願い申し上げます。

一 有期契約労働者、パートタイム労働者及び派遣労働者並びに新卒の内定者の方々等の雇用の安定とその保護を図るため、以下の点を十分に踏まえ、対応をお願いいたします。外国人労働者についても同様の配慮をお願いいたします。
さらに、新卒者を雇い入れようとする企業におかれては、年度末から新年度初めにおける内定者の内定取消しや、入職時期を延期していた内定者の内定取消しの防止のために最大限の経営努力を行う等あらゆる手段を講じていただくとともに、やむを得ない場合においても、対象者の就職先の確保についての最大限の努力や、対象者からの補償等の要求には誠意を持って対応いただくようお願いいたします。
なお、事業主の皆様の雇用維持の努力を一層強力に支援するため、雇用調整助成金の特例措置を講じています。
※ 労働者の解雇や雇止め、内定取消しに当たっては、以下の点に留意が必要です。

・ 労働者の解雇について、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効とされていること(労働契約法第 16 条)。特に、期間の定めのある労働契約(有期労働契約)については、やむを得ない事由がある場合でなければ、契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができないこととされていること(労働契約法第 17 条)。採用内定者についても、労働契約が成立したと認められる場合には、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない採用内定の取消しは無効とされること。

・ 有期契約労働者から、労働契約の更新の申込みがあった場合、その労働者の雇止めについては、以下のいずれかに該当すると認められる場合には、解雇と同様に、使用者が雇止めをすることが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は、これまでと同一の労働条件で、その申込みを承諾したものとみなされること(労働契約法第 19 条)。
① 過去に反復更新された有期労働契約で、その雇止めが無期労働契約の解雇と社会通念上同視できると認められるもの
② 労働者において、有期労働契約の契約期間の満了時にその有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があると認められるもの
※ やむを得ず解雇、雇止めを行う場合は、労働基準法や「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」(平成 15 年厚生労働省告示第 357 号)に規定された措置を講じる必要があることにも留意してください。
※ 今般、雇用調整助成金の特例の対象となる事業主を、新型コロナウイルスの感染症の影響を受ける全ての事業主に拡大するとともに、地方公共団体の長が、一定期間、住民・企業の活動の自粛を要請する旨の宣言を発出している地域(現時点では北海道)は、その期間中、生産指標要件の更なる緩和、助成率の引上げ等の措置を行ったところです。

二 また、派遣労働者を受け入れている派遣先企業におかれては、年度末を迎えるに当たっての労働者派遣契約の解除や不更新は、派遣労働者の雇用の不安定化に直結するものであることに十分ご留意いただき、安易な解除や不更新はお控えいただくとともに、やむを得ない場合においても、派遣元とも協力しつつ派遣労働者の新たな就業機会の確保を図っていただくなど、派遣労働者の雇用の安定とその保護を図るため、特段の配慮をお願いいたします。
※ 労働者派遣契約の解除に当たっては、以下の点に留意が必要です。
・ 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和 60年法律第 88 号)
(労働者派遣契約の解除に当たつて講ずべき措置)
第 29 条の2 労働者派遣の役務の提供を受ける者は、その者の都合による労働者派遣契約の解除に当たつては、当該労働者派遣に係る派遣労働者の新たな就業の機会の確保、労働者派遣をする事業主による当該派遣労働者に対する休業手当等の支払に要する費用を確保するための当該費用の負担その他の当該派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置を講じなければならない。
・ 派遣先が講ずべき措置に関する指針(平成 11 年労働省告示第 138 号)
第2 派遣先が講ずべき措置
6 派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置
(3) 派遣先における就業機会の確保
派遣先は、労働者派遣契約の契約期間が満了する前に派遣労働者の責に帰すべき事由以外の事由によって労働者派遣契約の解除が行われた場合には、当該派遣先の関連会社での就業をあっせんする等により、当該労働者派遣契約に係る派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ること。

三 やむを得ず雇止め、解雇等をしようとする場合でも、労働者の生活の激変を緩和し求職活動への支障が生じないよう、社員寮等に入居している労働者については離職後も引き続き一定期間の入居について、できる限りの配慮に努めて頂くようお願いいたします。

【参考資料】
参考資料①(雇用調整助成金の特例の追加)

参考資料②(適切な労務管理のポイント)

参考資料③(採用内定取消の防止)