年 の 初 め に

いわて医師協同組合 理事長  小野寺 弘 之
 新しい年を迎えられ、 いよいよ御清栄にお過しのことと存じあげます。
 設立以来、 いわて医師協同組合も12年目に入ったところです。 創立総会で同意、 加入された中小医業事業主は530名、 出資合計は1590万円でした。 人数も次第に増えながらまいりましたが、 いずれ各位が基本的な互助の自覚からなされた事業協力が原動力となり、 現在は各部門とも順調に業務をすすめております。 申すまでもなく医協は営利法人ではなく 「中間法人」 で、 それなりの特典も取り決めもあり、 協同組合加入は事業主であることが条件・中小企業等協同組合法の遵守などなど、 企業能率上は独特且微妙な点もございます。 此等がおのずと事業動態やその重点配分に関わってきますが、 この辺の事情理会はしていただいて業務に立ち向かっているところであります。
 岩手県医師会当局よりは大きな応援を戴き、 更に医師国保組合、 予防医学協会、 医師信用組合、 厚生年金基金等の各位からも多大な応援を賜わり、 まことに感謝の至りです。
 盛岡市医師会はじめ各郡市医師会より賜った御厚情にも深くお礼申しあげます。
 さて、 長びく経済基調の低迷や中央財政の悪化の影響は殆どいずれの事業にも直接間接に及んでいるのでしょうが、 昨年9月に起こった 「新しい戦争」 (同時多発テロ) の影響も次第に其の余波を拡大しているといわれます。 単に経済面だけではなく、 『これだけ世界が狭くなったのに、 民族や宗教の違いを超えて、 多様な文化を認めあう思想をつくり出す作業がされていない』、 など警醒のことばもしばしば語られていますが、 要すれば、 在来の人間観も含め、 新時代の新たな価値観が、 影や闇の部分も包含したより多面的で豊かなスケールでその線引きを早急に求められているとのことでしょうか。 折しも、 宗教復興の気運が地球規模で起こりつつあるとも側聞されます。
 叙上のように、 今後は更にただならぬ転換変革の日々が連なりそうですが、 それにつけても一段と視野を広くし、 遅滞ない対応を期し、 みんなで力を合わせ、 やってまいりたいと思います。
 年頭にあたり、 各位のご健勝、 御清栄をこころより祈念申しあげます。

平成14年1月



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