いわてのこんなところ 東山和紙の紹介
東磐井医師会理事 千葉 勤

東磐井郡西端に位置する東山町の<げいび渓 (日本百景の一つ) >入口, に東山和紙を実演販売する<紙すき館>というお店がある。
東山和紙の由来ついて、 お店のパンフレットによると次のようにのべられている。

 東山和紙の起源については、 一般的な定説として平安時代末期に鎌倉勢に滅ぼされた奥州平泉の藤原勢の落人が、 当地東山町(ひがしやまちょう)一帯に土着し、 農耕の傍ら生活用品として作り始められたといわれ、 約八百年余りの伝統が今も受け継がれている。
 東山の名の由来については、 東北文化の黄金時代を築いた平泉中尊寺の近くの東稲山(たばしねやま)より東方を眺めた風景が、 京都の東山に似ていることから古来よりこの地方は 「東山(とうざん)」 と称され、 これがそのまま紙名になったといわれている。
 東稲山の麗には、 紙生里(かみあがり)という部落もあり、 文字通り紙の生まれた里にふさわしい地名から、 東山和紙発祥の地と考えられる。
 文献によって知ることができるのは江戸時代からで、 正徳5年 (1715年) には、 163人の漉き人があったとされる。
 最近では、 昭和17年において285人を数えていた。
 現在は、 山谷部落を中心にわずか4名であるが、 東山和紙の800年余の伝統を守り、 独特な技法を忠実に受け継ぎ、 楮紙を中心とした素朴で強靱な和紙を漉き続けています。

書家はもちろん、 ふるくは障子紙として広く使用されていた。
しかし、 現在は書道、 アートの材料として使用されている。
お店の中では、 自分で紙をすきその中に色づけ、 落ち葉を入れる等
をほどこし、 乾燥すると郵送してくれる体験が出来る。



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