産業廃棄物の今後の方向性について
はじめに 平成12年6月の廃棄物処理改正以降、 従来の廃棄物処理の方法がだいぶ変化してきた。 そのひとつとして、 従来の廃棄物に対する考え方は、 廃棄物の中からリサイクル物を収集していたが、 循環型社会形成基本法により 「循環資源」 いわゆる有用な廃棄物について、 法制化がなされ、 現時点では、 容器包装リサイクル法、 家電リサイクル法、 建設資材リサイクル法、 食品廃棄物リサイクル法等がある。 これらのリサイクル法が施行され、 法的には、 産業廃棄物から区分されたシステムが確立したが、 実際には稼働について多くの問題がある。 拡大生産者責任制度が排出者に浸透することによって、 循環資源と廃棄物の区分が明確化され、 再生資源としての取り扱いが今後一層確立したものとなる。 ただし現行では、 再生利用された場合に 「再生資源」 として認定されることになっている。 いわゆる、 再生利用されるまでは、 「廃棄物」 の解釈である。 このためにも再生材による製品化と市場形成が必要である。 廃棄物処理法の改正に伴い、 国が廃棄物の出抑制・再生利用による減量・不適正処理防止のための 「基本方針」 を策定することになっている。 各県においても 「適正処理計画」 を定めることになっている。 このことは、 各県の処理に独自性を認めたもので、 今後の処理業界に多大な影響をもたらすものである。 |
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ま と め 岩手県における今後の廃棄物処理について、 現行法による法規制では対応が困難であるとしている。 その根拠としているのが 「青森県境における不法投棄事件」 であるとしているが、 このことによる廃棄物処理の規制強化は、 適正であるか疑問が残る。 適正処理は、 生産、 消費等にかかわる諸条件が整い、 社会システムが連動しなければならない。 具体的には、 県民に理解されるよう現行法の説明が必要であり、 産業界に対する排出者責任の重要性、 廃棄物処理施設の迅速で適正な配置、 国、 県、 市町村による適正処理への支援姿勢等による協調が必須要件である。 その上で規制強化であるべきで、 先に規制強化の法制化は、 管理社会づくりを印象づける。 現時点での法制化は、 他県、 他地域とのバランスの取れたものでなければ、 法のもとの平等、 人権問題に触れる恐れがある。 又、 「廃棄物処理」 は、 適正・迅速・安全であるようあらゆる立場の人々が協調しなければ環境は悪化する。 環境が保全され、 社会生活とバランスの取れた意識がこれからの社会である。 |