健康増進施設〈タラソテラピー施設〉
〜タラソテラピー〈海洋療法〉と健康づくり〜
宮古医師会 熊 坂 義 裕

 岩手県沿岸のほぼ真ん中に位置する宮古市。 北上山地から一気に街を分断して二級河川閉伊川が宮古湾に注ぐ河口部出崎地区に東北で二番目となる健康増進施設・タラソテラピー施設が、 11月にオープンする。
 この出崎地区には北側に公設民営の魚市場があり、 南側には、 現在、 広域総合交流促進施設とタラソテラピー施設が合築で建設が進められ、 出崎地区は一大観光・体験ゾーンとして 「海の顔」 が形成されることになる。
 ギリシャ語のタラサ〈海〉とテラピー〈療法〉の合成語のタラソテラピーは、 海に関係する海水、 海藻、 海底泥などを利用して癒しと健康づくり、 病気の予防や治療に活用する自然療法のこと。
 海水は温泉の濃度が少ない食塩泉同様のもので、 保温効果、 殺菌作用、 傷の直りを早めるなどの性質、 アトピー性皮膚炎、 気管支喘息などに効果が期待される。
 施設は、 心身のリラクセーション、 休養、 運動などが体験できる場である。 アクア〈海水〉利用は、 水中運動、 水中マッサージ、 気泡浴、 流水プール運動など、 糖尿病や肥満の予防や治療、 リハビリに効果がある。 また、 タラソ〈トリートメント〉利用は、 エアロゾル〈海水の霧〉吸入、 水流マッサージなど海の癒し、 恵み、 湯治場プログラムのリラクセーションとなっている。
 伸び続ける医療費、 痴呆や介護状態の抑制・予防が課題となっている。 一人ひとりの健康増進や生活習慣病の予防のためにもこの施設を多くの皆様に積極的に活用していただくことを念願するものである。

平成15年11月のオープンに向けて工事が進められています。



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