いわて医師協だより第118号｜いわて医師協委託の保養施設～おすすめの宿～

いわて医師協委託の保養施設～おすすめの宿～

山の神温泉別墅清流館

花巻南温泉郷の和風旅館「優香苑」の新しいおもてなしの宿として「別墅（べっしょ）　清流館」が今年の6月にグランドオープンしました。山と川の大自然に囲まれ、源泉かけ流しのお湯に浸かれば、日頃の疲れも忘れることでしょう。

静かに時の流れを包む
山峡の山の神温泉

川と山々の緑に恵まれた花巻温泉郷県立自然公園。その中に点在する花巻の温泉群は、数あるみちのくの名湯の中でも、歴史ある風情と多様な趣が人気を呼んでいます。

東北自動車道花巻南ＩＣから西へ向かうと、田園風景の向こうに奥羽山脈の支脈が重なり、のどかな光景が広がります。初秋の風が吹きわたり、錦色に染まり始めた山々に吸い込まれるように続く一本道を進んでいくと、温泉旅館やホテルが続き、レトロな校舎が懐かしい「昭和の学校」を過ぎると間もなく、里山を借景にした「山の神温泉　優香苑」に到着です。

開業は昭和40（1965）年。豊沢川の南岸、大沢温泉と鉛温泉の間に位置し、すぐ近くに山の神神社があることから開業時は「山の神温泉」と名付けられ、河鹿鳴く山峡の温泉として親しまれました。以後、光雲閣、幸迎館と名前の変更はありましたが、名称の冠に「山の神温泉」と付し、半世紀来の伝統の湯を引き継いできました。

宮大工の技が光る
和モダンの温泉宿が誕生

旧幸迎館から現在の「優香苑」に名前が変わり、花巻を代表する温泉宿に生まれ変わったのは東日本大震災後の平成23（2013）年のことです。総支配人の飯塚能章さんは、「震災後、私どもの会社㈱ベルーナがこの温泉旅館の経営を引き継ぐことになり、優香苑という名称変更に伴い大幅にリニューアルいたしました」と話します。

東京出身の飯塚さんは、「岩手は山、川、海の自然が豊か。道路も渋滞がないし、何より温泉がいい」と岩手の大ファンになり、家族連れで花巻に移り住んだと言います。「とりわけ山の神が棲まう地として大切にされてきた山の神温泉には、ひと味違う自然の魅力があります。こんな素晴らしい岩手でワンランク上のサービスを提供していきたいと思います」と、笑顔で語ります。

平成23年4月1日にリニューアルオープンした優香苑は、宮大工の技とこだわりが集められた和風の建築で、品格のある天井に採用される格天井が印象的なロビーをはじめ、欄間や襖、障子などにも細かい技が施されています。木の素材感とぬくもりが心身ともに極上の安らぎを与えてくれます。

宮大工が作り上げた格調高い客室は全72室（364人収容）。一間、二間（ベッドルーム付）タイプのほか、和室・リビングルーム・ベッドルーム・サンルームを備えた豪華さを味わえる貴賓室もあります。

和風の趣に彩られた旅館の前庭は、バラやハーブなど花巻の風土に適した草木や樹木が植栽されたイングリッシュガーデンという〝洋〟のテイストで日本の美と西洋の美が融合。優香苑が「和モダン」と呼ばれる由縁です。

新しいおもてなしのカタチ
「別墅　清流館」がオープン

くつろぎの温泉宿として年々訪れる人が増えている優香苑に隣接して、今年の6月、新しいおもてなしの施設「別墅　清流館」がオープンしました。「別墅」とは、「最上級の別荘」という意味。優香苑の別荘、離れとも言える新しいおもてなしの宿です。

その呼び名にふさわしく国内の有名デザイナーが設計デザインした建物は、落ち着いたブラウン系の色味を基本にしたシックなしつらえで、「大人の隠れ家」的な風情が漂っています。

建物の構造をそのまま活かした広がりのある天井に5棟が連なる客室は全20室。重厚な柱と梁、漆喰調の壁を配した和モダンな雰囲気で、畳敷きのベッドルームが一層の落ち着きを与えてくれます。1室2人が基本ですから、テラスを含む65㎡の広さは贅沢な空間です。

中でも一番の特徴は、全室にリラクゼーション効果の高い青森ヒバを使用した源泉かけ流しの風呂を備えていること。まさに貸し切りの別荘として、静かなプライベートタイムを過ごすことができるでしょう。

PH値9.3の泉質が自慢
大露天風呂は広さ随一

4本の源泉を持つ山の神温泉は豊富な湯量を誇り、PH値が9.3もあるアルカリ性単純温泉です。とろみのある湯は、まるで化粧水のようにまろやかな泉質だと比喩されています。

優香苑には花巻南温泉郷随一の広さを誇る大露天風呂をはじめ、中国の陶板画が壁面に配された内風呂、日帰り温泉の大浴場など多彩な風呂があり、もちろん、清流館に宿泊した人は優香苑のすべての風呂と施設を利用することができます。

「お料理も当館の料理長が岩手の旬の食材を使って心と体に優しい和の創作料理を提供しています。そのこだわりは尋常ではないんですよ」と、飯塚さんは太鼓判を押します。「コロナ禍で苦しい状況が続く中でも、おかげ様で私どもはきちんと対策を取った上で休むことなく営業してまいりました。ことに清流館のオープンをきっかけに医師協さんの保養施設に加えていただき、多くのお医者様方にご利用いただいております。お湯よし、料理よし。とろっとろっの源泉かけ流しのお湯に浸かり、日頃の疲れを癒しにおいでいただきたいと思います」

里山が赤や黄色に染まり、日ごとに秋色が濃くなる季節、日々の緊張と忙しさから心身を解放し、明日への活力を養うためにも「山の神温泉　別墅　清流館」は、本館の「優香苑」ともどもおすすめの湯宿です。

↑ このページの先頭へ

飯塚能章総支配人