原状回復のための措置命令が強化されました。
(平成13年4月から)

常務理事 近藤 駿

 不法投棄や不適正処理の原状回復のための措置命令の対象となる事業者、 処理業者等の範囲が拡大されました。
 不法投棄者等に廃棄物の処理を委託した排出事業者に委託基準違反や管理票に係る義務違反が合った場合や、 不法投棄等に関与した土地所有者、 仲介業者なども命令の対象となります。
対  象  者 現 行 改正後
不法投棄等を行った者
委託基準、 再委託基準違反
管理票不交付
 同 記載事項不備  
 同 虚偽記載
 同 送付 (回付) 義務違反  
 同 保存義務違反  
 同 確認義務違反  
不法投棄等に関与した者  
違反すると 「5年以下の懲役、 1,000万円以下の 罰金又はこれらの併科」 に処せられます。
措置命令 (改正法19条の4・5・6)
廃棄物処理法の処理基準に適合しない廃棄物の処分が行われた場合において、 生活環境の保全上支障が生じ、 又は生じるおそれがあると認められるときは、 知事 (市町村長) は、 必要な限度において、 期限を定めて、 その支障の除去等の措置を命ずることができます。
命令に違反すると、 「5年以下の懲役1,000万円以下の罰金又はこれらの併科」 に処せられます。

不法投棄に関与した者
措置命令の対象となる違反行為をすることを要求し、 依頼し、 若しくは唆し、 又は当該行為をすることを助けた者

一般的注意義務 (改正法12条の2)
事業者は、 その産業廃棄物の運搬又は処分を委託する場合には、 当該産業廃棄物について発生する最終処分が終了するまでの一連の処理の行程における処理が適正に行われるために必要な措置を講ずるように務めなければならない。

拡大排出事業者責任
 上表の措置命令対象者に資力がなく原状回復が進まないような場合には、 次の要件を満たす排出事業者等 (中間処理業者を含む) が措置命令の対象となります。
(1) 措置命令対象者の資力その他の事項からみて、 同人のみによっては、 支障の除去 等の措置を講ずることが困難であり、 又は講じても十分でないとき。
(2) 排出事業者等が産業廃棄物の処理に関し適正な対価を負担していないとき、 不法 投棄等が行われることを知り、 又は知ることができたとき、 その他一般的注意義務 に照らして排出事業者等に原状回復措置を採らせることが適当であるとき。


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