一関に過ぎたるもの二つあり、 「時の太鼓」 に 「建部清庵」 と云われて幾久しく有名である。
この両者については過去度々取り上げられているので、 今回は厳美渓に伝わる郭公かっこうだんごを取り上げてここに御紹介することとしたい。
「かっこうだんご」 の創業者である旧厳美村出身の千葉酉吉さんが、 良質の米を原料としてだんごを作り、
これに醤油、 あんこ、 胡麻のたれをたっぷりと塗って5ケづつ串に刺して観光客に提供したのがそもそもの始まりである。
旧厳美村でもこの地区は五串いつくし村と呼ばれた時代があり、 それにちなんで5ケのだんごを串に刺しての
「いつくしだんご」 と謂われたが、 現在は 「かっこうだんご」 と通稱謂われ、 且
「だんごの谷わたり」 として全国的にも名物品として取り上げられ有名になっている。
御存知の方もあるかもしれない。
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郭公だんごの標識板。 創業明治11年とある。 |
店内で。 左側が郭公じいさんの写真。 |
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郭公じいさんの木像 |
初代の千葉酉吉さんについて少し紹介してみるが、 郭公鳥の鳴き声が非常に上手で、
赤い帽子にちゃんちゃんこを着用し、 厳美渓の岩の上を上り下りして、 訪れる観光客にかっこうの鳴き声を聞かせ非常に喜ばれたという。
又、 昭和12年に閑院宮両殿下が厳美渓を訪れた時に、 だんご作りを実演して献上し且、
かっこうの鳴き声を披露した所、 大変喜ばれ、 御賞詞と金一封を賜ったという。
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郭公だんごの谷渡し (No.1) |
郭公だんごの谷渡し (No.2) |
閑院宮両殿下が御来厳の折に暫らく渓流を眺められた場所を御覧場と稱し、 現在はその場所に記念碑が建立され、
川の両岸を結ぶ釣り橋が設置されている。
現在の 「かっこう屋」 は三代目の千葉晴夫氏となっている。
厳美渓の四季を通して最もその風景を引き立たせてくれるのは春である。 桜花咲き乱れる4月下旬は観光の目玉として一年の中でも圧巻で、
その頃岩の上で 「かっこうだんご」 の賞味に至福のひと時を過すことが出来る。
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郭公だんごのメニュー |
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