民主党政権が誕生して1年半が過ぎようとしている。我慢強い国民は、1年間は仮免許期間であるという意識で温かく見守るつもりであった。しかし、仮免許というよりは、免許は一応あるものの約50年間ペーパードライバーであることが徐々に分かってきた。しかも、エンジンキーのかけ方も方向指示器の操作方法も忘れてしまっている。結局、日本国の行く先不明である。諸外国の首脳部も同様の見方のようで、国家間の信頼関係が生まれる素地は無くなりつつある。顔の見えない相手と話すほど外国の首脳部は甘くはない。そして、政府の後手、後手の経済政策で経済状況も悪化している。
医療を巡る環境は、景気の下落と共に受診抑制が加速している。民主党政権のマニフェストは何一つ実現していないし、医療費削減という考えの元に、逆に締め付けを厳しくしようとしているようにも見える。その一手段として、行政は「ペイアズユーゴーの原則」という妙なカタカナを振りかざして受益者負担を増やそうとしている。昔、ある大臣が「貧乏人は麦を食え」と言ったように、弱者切捨ての考え方となる。とにかく、民主党政権は菅総理の虚ろな目付きに象徴されるように日本の末期の政権になりそうなマイナス方向への勢いはある。
このような政治・経済環境の中で、どの業種も苦しい経営状況を強いられている。生き残りのサバイバルゲームであるが、現実はゲームではすまない。今年の医業経営はもっと悪くなりそうであるが、診療報酬の改定も来年度で、それまで各医療機関が経営を維持出来るか?正念場である。「いわて医師協同組合」は、組合員の皆様の経営の一助となるために、眞瀬理事長の強い指導力でこの難局を切り抜けなければならない。
菅原 克郎