南部鉄器は、正しい使用法に従うと次の世代まで引き継ぐことのできる比類ない耐久性、堅牢性を誇ります。いいものをより長く使うというお気持ちで取り扱っていただければ、必ずやそれにお応えできるのが南部鉄器なのです。
鉄瓶を上手に使用するには、内部の皮膜を損傷しないことと、湯あかを早くつけることです。約10日~2週間で白く付着してきます。
慣らし期間は約2週間です。この間は毎日お使いください。
初めてご使用の際は、2~3回ほどお湯を沸かして内部を慣らしてください。沸かしたお湯に濁りが出なくなれば飲用可能です。
内部はタワシや布巾等でこすらないでください。外部は乾いた布巾で拭いてください。磨き粉等は使わないことです。
使い終わったら、内部を乾燥させます。余熱利用、または弱火で20~30秒程温めます。
慣らし期間中はくれぐれも、内部に水をいれたままにしないでください。
内部は使い始めて5日目頃赤く錆びたような斑点が現れ、湯あかが付き始めます。それ以降は湯あかが徐々に表面を覆って水は美味しくなり、内部が赤くても水は透明を保つようになります。錆びと思って拭いたり、洗ったり、こすったりしてとらないでください。
表面の黒味をお望みの方は、毎朝温湯で全体を洗ったあと水を入れ火にかけ製品が熱くなりましたら茶の湯を浸した布で表面を拭くようにしてください。
【白い湯垢】田山鐵瓶工房使用中
(約30年)
【赤い湯垢】(株)岩鋳使用中
(昭和28年製造)
※水質によって、湯垢の状況が異なります。
水を入れたままにして錆びた場合
使い始めと同じ作業を2、3回繰り返します。
空たきをした場合
症状が軽い時は上記と同じ作業でよくなりますが、重い空たきは、産地で仕上げ直しを行います。
鉄瓶に穴があいた場合
産地にお問い合わせください。
※保存は内部をよく乾燥させ風通しのよい所に置きましょう。長期間使用しなかった場合、調子が戻るまで慣らし期間のように1週間ほどかかることもあります。
水でよく洗い、水気を拭きとって薄く食用油をひいてください。
火にかけ、野菜くずを炒めてください。鉄特有の臭いがとれます。油をうすく塗ってからご使用ください。
焼杉フタは、酢を落とした湯に入れしばらく煮ると臭いが抜けます。木の性質上、薄い汁がでますが無害ですので安心ください。
スポンジタワシなどで、汚れを充分におとし、弱火で乾かしてから保管してください。
内側に食用油を薄く塗ってください。錆び止めに効果的です。
残った料理を鍋に入れたまま放置すると食品が鉄分により黒変します。また本体の錆びの原因にもなります。万一錆びが出た場合、タワシなどでこすり落とし、2,3回水沸かしを繰り返した後、油をすり込んでください。
熱いままの鉄器を水に入れて急に冷やしたり、堅いところに落としたりすると、ヒビが入ることがあります。
研磨剤のついたタワシ類で強くこすらないでください。(表面の特殊焼付塗装がはがれることがあります)
直接火にかけてご使用にならないでください。
お茶や水をいれたまま長時間放置しないでください。
ご使用後洗浄する場合は、柔らかいスポンジなどで内部を洗い、乾いた布で水気をよく切ってください。