地区だより(14)
けったら、く
そば処 久保田
花巻市医師会 湯本診療所 佐藤 全紀
今回は、小岩井農場の一本桜の近くにある、おそば屋さんを御紹介します。場所は小岩井農場まきば園を過ぎた所で、牛乳工場の方へ左折。右手に一本桜をながめながら少し行くと、右側の森の中にのぼりが立っていて、そこが「久保田」です。
ペンション、いや別荘かな、といった、たたずまいですが、暖簾をくぐるとそばの香りが漂っています。テーブル席が6つ並んでいて、岩手山側には大きな窓があり、突き当たりにはペレットストーブがあって、温かく迎えてくれます。窓外には岩手山の麓の森と耕作地が広がり、注文する前からくつろいでしまいます。
メニューはもりそば、かけそば480円からで、他に冷やしたぬき、梅おろし、とろろそば(冷たい方はたれをかけて食べるタイプ)、地鶏せいろ(雫石特産「南部かしわ」のこくが深い)があります。なお、そば5割増の大盛は200円プラスです。サブメニューは天盛り380円、天丼[小]320円、とろろ飯260円。天盛りは、つけ塩でいただいて良し、かけそばに乗せて良し。海老と季節の野菜などが揚げてある、お値打ち感のある逸品です。
さて、肝心のおそばですが、もりそばで解説してみると、注文が入るとしばらくしてタイマーの音が厨房から響くや、ほどなく到着。この間およそ5分以内でしょうか。おそば屋さんの中でも最速クラスと言えるでしょう。そばはかなり細身で色白。透明感のあるそばをすすると、さわやかなそばの香りを鼻腔に残し、想像より強めの腰を感じさせる歯応えのあと、胃袋にすっと落ち着くといった案配です。つけだれはきりっとしまった感じの辛目で、飽きが来ません。また、この麺は温かいそばにも合うようで、冷、温いずれもおいしくいただけます。定休日は金曜日、営業時間は午前11時からと、午後3時から。おそばがなくなり次第終了ですのでお早目に。
森の隠れ家的正統派そば処、「久保田」。ぜひ一度、訪ねてみて下さい。
※この記事は「医報はなまき」407号(平成26年11月)に掲載されたものを、編集部の許可を得て、一部再編集のうえ再掲しました。