「鉛 温 泉」 |
昭和二十五年、 田宮虎彦はこの鉛温泉 (藤三旅館)
に約一ケ月余り滞在し、 花巻を舞台に小説 「銀心中」
を書き上げた。 玄関真上の三階の部屋を愛用し、
現在も当時のまま残っている。 開湯伝説によれば、 温泉主である藤井家の遠祖が今から五百年前、 一匹の白猿が桂の木の根元から湧出する泉で、 手足の傷を癒しているのを見て発見したとある。 記録によると、 天明八年 (1788) 三之助が浴場を建てている。 数ある湯船の中で出色は立ったままつかる 「白猿の湯」 で、 そのユニークさから名物となっている。 現在は秘湯として関西方面からの入浴客が多い。 花巻市医師会 小原紀彰 |
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