人物クローズアップ vol.4
幅広い専門性を生かすとともに常に基幹病院と同程度の外来診療レベルを心がけています。
坂の上野 田村太志クリニック院長
田村 太志(北上医師会)
私は現在、内科・循環器・呼吸器・腎臓・アレルギーの専門医資格を持っています。内科系の4分野の専門医資格を所持している医師は全国でも数少なく、この幅広い専門性が私のカラーになっています。医師の数が少ない岩手のような地域では、一つの領域より幅広く患者さんの全体像を診る医師が必要だと思うのです。開業医に転じたのも大病院で一つの分野に絞るより、幅広い分野を診る道を選んだ結果です。
開院と同時に私は当院の方針として「マニフェスト」を公表しました。例えば、基幹病院と同程度の診療レベルを提供すること、主たる臨床情報(診断名・検査結果、投薬内容など)を記載した「マイカルテ」を希望する患者さんにお渡しすること、多くの開業医が対応していない時間外、急患にも積極的に応じること、家庭医だからと妥協せず国際学会をはじめ各種学会で発表したり、研修会などにも参加し、常に最新の医療を取り入れ提供すること─などです。
時間外急患に対しては緊急CT、血液ガス等病院の救急外来に相当する検査にも対応しています。そのため勤務医の時より家族と一緒に過ごす時間が増えるだろうという私の希望をあえなく打ち砕きましたが(笑)、専門性を広く深く究めていくことが私の目標とするところであり、マニフェストは基本線がぶれないようにという自分自身の戒めでもあります。
私は基本的に他人がやっていない独創的なことにトライしていきたい。待合室に5台のパソコンを置いているのもその一つで、患者さんが待ち時間を退屈しないようにインターネットやゲームを楽しめるようにしています。開業5周年には温泉に泊まり込みで「健康合宿」を実施しました。これは開院当初から構想を描いていたもので、管理栄養士監修の「健康メニュー」を3食共にしながら健康講座、運動療法、座談会、心肺蘇生実習など盛りだくさんの内容でしたが、当日は患者さん、医療関連職種の方々、スタッフなど80名余りが参加し、皆さんからは満足したという声をいただきました。
このような診療方針が地域住民に浸透してか平均外来患者数も100名を超え、冬場は200名を超える日もありますが、スタッフと電子カルテを駆使し、ペーパーレス化、フィルムレス化をはかり、スムーズな診療を実現しています。これからも地域のニーズに合わせ、より地域に望まれる医療の姿を求めていきたいと思います。
たむら・ひろし
1963年花巻市石鳥谷町生まれ。弘前大学医学部大学院卒業。岩手県立北上病院循環器・呼吸器科の責任者として12年間の勤務を経て2004年に「坂の上野 田村太志クリニック」を開院。
〒024-0021 北上市上野町4丁目2-15
TEL.0197-65-1111
FAX.0197-65-1113
【診療科目】内科全般・循環器科・呼吸器科・アレルギー科
【受付時間】9:00〜12:00/14:00〜17:00
※働く世代の要望にこたえ毎週水曜日18:00〜20:00夜間外来を開設
【休診日】木曜日、日曜・祝祭日