東日本大震災の復旧・復興も遅々として進まず、私たちも心の整理がなかなかつけることができない。第一、民主党政権がはっきりしない。今日(7月5日)、「知恵を出さないと助けない」と高飛車に放言した復興担当大臣が辞任、代わって岩手県選出の平野達男参院議員の就任が決まった。何しろ前大臣は「東北の何県、何市が何処にあるのかはっきり分からない」との暴言。「知恵が無いのは、現政権である」との被災者の声もあった。民主党政権の今回の処理は早かったし、本県選出の平野議員が就任したことは、岩手県民にとっては心強く、安心感がある。「岩手県が何処にあるか知らない」ということはないだろうから。しかし、菅総理の任命責任は免れないだろう。最近、政治家の動向に大きな働きをするのがネットである。前大臣と宮城県知事とのやり取りは、何万回も動画サイトで流され、ツイッター内で激しく批判され、結局、これらが辞任表明の隠れた原因となったという。また、ある週刊誌で3週に渡って政治家・官僚の不倫スクープ記事が掲載された。中曽根内閣の「カミソリ官房長官」の甥、次週は外務副大臣、3週目は原子力安全・保安院の審議官。とにかく、公人は慎重な行動を要求される。いつも、何処でも国民の眼が光っている。そのことが厭で「政治家にもプライバシーあるなどという」などと言うなら、政治家になら無いことだ。
大震災でどの出版物もその内容の変更を余儀なくされた。前号の「医協だより(震災特集号)」もそうである。予定していた執筆者の先生が被災し「今回は、ご勘弁を…」と辞退するし、自粛のため明るい話題も取り上げられない。表紙は、渕澤敬吉先生が直ぐに被災地に赴きプロの報道写真家と変らない写真を送っていただいた。渕澤先生の行動力には感謝である。
現在、この大震災が「いわて医師協同組合」の今年度の運営にどのような影響が出るのか不確定ではあるが、組合員の先生方ご協力と職員の努力により最小限に止め、最終的には前年に変わらない実績を挙げることができると思う。なにしろ、いつも眞瀬理事長が力強いお声が医協の事務所内に響き渡っているから。
菅原 克郎