人物クローズアップ

人物クローズアップ vol.14

地域に密着した
安全・安心の
医療を提供したい

医療法人 日新堂 理事長
八角医院 院長
八角 有紀(盛岡市医師会)

盛岡北部広域の医療を24時間体制で担う

「八角医院」は北上川が流れ東に姫神山、西に岩手山を望む自然豊かな盛岡市玉山区好摩にあります。IGRいわて銀河鉄道とJR花輪線の接続駅で石川啄木もよく利用したという好摩駅のすぐ前にあり、その立地条件から地元の玉山区のみならず、岩手町、八幡平市からの利用も多く、年齢層も子どもから高齢者まで幅広くなっています。

八角医院には、系列に「八角病院」があり、入院加療のほか、CTやMRI、NBI内視鏡を備えて八角医院と連携して精密検査も行っています。また、岩手町の県立沼宮内病院が地域診療センターに移行したこともあり、二次救急指定病院として、24時間体制で盛岡北部広域の救急医療を担っています。ほかにも介護老人保健施設、特別養護老人ホームなど関連施設があり、総合的に医療・保健・福祉サービスを提供しています。

八角医院は、東京で新聞配達や牛乳配達をしながら苦学し、医師免許を取得した祖父の八角胖が、大正5(1916)年に旧巻堀村(現・盛岡市玉山区巻堀)に八角医院を開院したのが始まりです。名古屋の病院に勤務することが決まっていた祖父が、地元に挨拶に戻った際に「医者が来たらしい」と患者が集まってきて村を出られなくなってしまったようです。無医村地区でしたので、地元の方々には大変喜ばれたようです。

昭和42年に八角医院を継承した父の八角正司は旧玉山村の嘱託医となり、地域の学校医として心臓検診に力を入れました。村や学校に働きかけ、全額公費負担による村内全校生徒の心臓検診を実現しました。

今年の1月に新築開院 機能の充実と快適な空間づくりに注力

前の建物が築33年経過したので建て替えを行い、八角医院は今年1月5日に新築開院しました。開院に当たり、注力したのは疾病の早期発見のための設備と、医院を利用される方が快適に過ごせる空間づくりです。そして時代に合わせたプライバシーの確保でした。

新築の医院は入り口を入ると正面に絵が飾られ、その奥の待合ホールは患者さんがゆったりと待てるように広いスペースをとり、小児患者も多いことからキッズスペースを新たに設置しました。また、経鼻内視鏡やエコー検査のための超音波診断装置も整備し、以前より検査機能も充実させました。

さらに、疾病予防、介護予防の観点から2階にはリハビリ室も整備し、初動負荷トレーニングマシンを導入しました。この機械は、多くのプロスポーツ選手も使用していることで知られていますが、筋肉を肥大させることではなく、体に負担をかけずに体の自然な動きを導き出し、関節可動域の拡大と維持に重点が置かれています。下肢の筋力を保持し、転倒などによるケガの予防や疾病予防になると期待しています。健康の維持・増進を図ることで病気を予防していくのは、高齢者が多い地域には必要であると考えます。

地域の人々に信頼される医療・保健・福祉サービスを誠の心で提供

日新堂グループには現在480名余りの職員が働いています。折に触れて私が職員に話すのは、医療法人日新堂の理念である「地域の人々に信頼される医療・保健・福祉サービスを誠の心で提供致します」という言葉です。グループをまとめていく苦労はありますが、各担当者が頑張ってくれているので、信頼して任せていくことも大事だと思っています。

また、日新堂グループの各施設が、順調に運営され、組織として成熟していくことが重要であり、地域での重要性が増している今、それに応えていける力を自分としてもグループとしても身に着けていきたいと考えています。

高校・大学時代は野球部で活躍 現在も中学生の野球を指導

小学校からスポーツ少年団で野球を始め、大学、社会人クラブチームまで続けました。ポジションはピッチャーで、高校時代は夏の岩手大会で準優勝、大学時代に東日本医科大学選手権で優勝したこともあります。

現在は、盛岡市、滝沢市、岩手郡の中学生を対象にしたクラブチームの指導をしています。子どもが少なく中学校の部活でもメンバーが足りないチームがある中で、複数の学校から人数が集まり、切磋琢磨して技術を磨き合えることは良いことだと思います。

小〜中学生は非常に大事な時期で、怪我の予防のためにも、フォームの矯正や理にかなった体の動かし方をしっかり教えることが高校以降の競技生活に重要だと思います。

私もこれまでの野球経験と医学的知識を生かして指導できるので、やりがいがあります。

地域に支えられて来年は100周年 医療・保健・福祉の連携をさらに強固に

八角医院は地域の方に支えられ来年100周年を迎えます。医療と福祉の拠点として地域に貢献していくためには、私もスキルアップを図りながら、もっと成長していかなければならないと思います。

これから国が考えている地域包括ケアシステムを構築していくためには、地域ごとに社会資源も異なり課題も多くあるとは感じますが、住み慣れた地域で生活を継続していけるように、医療や介護、生活支援、介護予防などを充実させ、地域で支え合っていくことが必要です。当グループの医療法人日新堂、社会福祉法人日新福祉会としても、八角医院を中心にして、今まで培ってきた医療の質をさらに高め、訪問看護やその他の在宅サービスにも力を入れ、地域医療に貢献していきたいと思います。

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八角 有紀

やすみ・ゆうき

1975年生まれ。2001年岩手医科大学医学部卒業。日赤赤十字医療センター、岩手医科大学第一内科(消化器・肝臓内科)などの勤務を経て2009年4月から医療法人日新堂理事長、社会福祉法人日新福祉会理事長を務める。日本内科学会総合専門医・内科認定医、日本消化器病学会消化器病専門医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医、岩手県体育協会公認スポーツドクターなど。

 

2015年1月15日に新築開院した八角医院

受付と会計

白い壁を基調に床は木目調のフローリング。ゆっくりくつろげるような温かみのある待合ホール

これまでの野球経験と医学的知識を生かして、中学生のクラブチームを指導

医療法人日新堂 八角医院
〒028-4125
盛岡市玉山区好摩字夏間木101-2
TEL.019-682-0007 FAX.019-682-0748
【診療科目】
内科・消化器内科・消化器外科・胃腸内科・肝臓内科・糖尿病代謝内科・外科
【診療時間】
月〜金 午前8:30〜午後5:30
土 午前8:30〜午後12:00
【休診日】
日曜日・祝祭日