U 地球温暖化防止について
21世紀、 地球規模の環境問題がますます深刻の一途をたどっている。 中でも二酸化炭素の大量排出による地球温暖化は、
危険が指摘されて久しいが、 各国の利害が絡み合い、 未だに有効な対策が打てないでいる。
毎年、 毎月、 地球のどこかで異常気象が頻発し誰しも、 漠とした不安を抱かざるを得ない。
人類が育んできた母なる自然に、 巨大な、 後戻りできない変化が起きているのではないか。
そんな不安が現実のものになったら?豹変した大自然が突如として牙をむき、
全地球規模の未曾有の大被害をもたらしたとしたら?
実はいま上映されている映画 「デイ・アフター・トゥモロー」 の地球温暖化によって引き金を引かれた、
全地球的な気候の激変をテーマにしている。
地球温暖化という現象は、 確かに起こっているし、 おそらく今この瞬間にもそれはじわじわと進行しています。
ヒマラヤの氷河が急速に融解し、 今後5年から10年の間に同山系の44の湖が一気に決壊・氾濫して莫大な範囲での被害が想定されております。
この様に地球温暖化が一気に異常気象等を起こす危険がもう始まっているのです。
1. 地球温暖化対策
- (1)世界的な取組み
地球環境への関心が高まりを始めた1988年、 世界各国の科学者を集め 「気候変動に関する政府間パネル
(IPCC)」 が設置されました。 その 「第一次評価報告」 を受け、 1992年に
「環境と開発に関する国連会議 (地球サミット)」 がリオデジャネイロで開催され
「気候変動に関する国際連合枠組条約」 が155ヶ国により署名されました。 また1997年には京都において
「京都議定書」 が採択され、 わが国は温室効果ガスを2010年において、 1990年レベルよりも6%削減することとなりました。
- (2)我が国の取組み
このような世界的な取組みを受けて、 1990年、 一人当たりの二酸化炭素量を2000年以降1990年レベルで安定させることなどを目標とした
「地球温暖化防止行動計画」 が策定されました。
また2010年までに緊急に実施すべき対策をまとめた 「地球温暖化対策推進大綱」
が決定されました。
さらに1998年 (平成10年) 10月には 「地球温暖化対策の推進に関する法律」
が制定され、 国、 地方公共団体、 国民が果たすべき責務明らかになりました。
- (3)岩手県の取組み
こうした状況を踏まえ、 岩手県では平成10年3月 「岩手県環境の保全及び創造に関する条例」
を策定し、 温暖化を始めとする地球環境問題への地域からの行動の充実をうたうとともに、
同年9月に 「岩手県環境基本計画」 を策定し国の目標よりも高い二酸化炭素8%削減の目標設定をしました。
また平成11年3月には国の法律に基づき 「岩手県地球温暖化防止等実行計画」
(率先実行計画) を定め、 平成13年には 「県民の健康で快適な生活を確保するための環境の保全に関する条例」
を制定し色々な取組みを進めています。
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2. 具体的な対策
- (1)基本的な考え方
「実践」 |
それぞれが、 出来ることから自主的に取り組みましょう。 |
「参加」 |
地球温暖化は、 将来の世代に重大な影響を及ぼします。 |
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今、 便利で快適な生活を送ることが出来れば良いのではなく、次の世代に良好な地球環境を引き継ぐ為、
温暖化を防ぐ取り組みに積極的に参加しましょう。 |
「連携」 |
皆と一緒に知恵を出し合い、 共に行動し、 社会的取組みへと発展させましょう。 |
- (2)具体的対策
医療機関は民生業務部門に分類され、 県内の二酸化炭素排出量の内11%を占めており、
近年徐々に排出量が伸びております。
民生業務部門はエネルギー対策が遅れており、 その強化が重要な課題です。 電気や燃料などエネルギー使用量の削減が主な内容であり下記に示すような環境配慮行動を行うことが求められます。
また、 建物の新築や増改築時に、 断熱化や高効率設備の導入を図る事により、
標準的な建物に比べ約3割程度の省エネを図ることが可能といわれております。
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- @ 冷暖房設備の適正管理
・温度設定は夏期28℃、 冬期20℃を目安とする。
・夏期はブラインドを利用、 冬期は太陽光線を取り入れ、不要な冷暖房の使用を控える。
・季節や時間によって空調をこまめに設定する。
・空調が稼動している部屋への入退出の際はドアを必ず閉める
・フェルターをこまめに清掃する。
・ヒートポンプシステムを導入する。
- A 照明設備の適正管理
・照明器具は逐次省電力型に交換する。
・トイレなどはセンサー式の照明にする。
・明るい場所や人のいない場所は消灯する。
・照明器具は定期的に清掃する。
・非常口に高輝度誘導灯を導入する。
- B 廃棄物のリサイクル
・金属、 紙、 ダンボール、 プラスチック、 ペットボトル、 ビン等の分別を徹底しリサイクルを推進する。
・廃棄物の減量化のために、 購買雑誌・新聞などの必要数を点検し不要物を削減する。
・紙コップ等の使い捨て商品を使用しない。
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