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「陸前高田市」 |
岩手郡医師会 石木 幹人
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極寒の盛岡よりルート396を車で南下2時間。北上山地荷沢峠を超えて陸前高田市に入ると、そこは椿、山茶花、野生水仙の咲く温暖な風が頬をなでる。陸中海岸国立公園最南端の7集落が合併して市制50周年を迎えた。
清流気仙川が流れ込む広田湾を前に白砂青松高田松原に立つと、平泉文化を支えた玉山金山を抱える霊峰氷上山を背にする。
米・野菜・果樹・お茶の豊富な農産物、山菜・筍茸と山の幸。築地市場で一番値がつく広田の牡蠣、わかめなどの海藻、うに、あわびと海の幸。地元の蔵で醸造する味噌・醤油・酒は国内トップレベルの品質を誇る絶品である。そして木炭をも生産するので、自給自足自立の実力を持つ。季節に追われながら、生産し食べるという営み、人間が生きるというシンプルなそして力強い姿がここにある。
夏にはその力が結集する祭りがある。高田町を中心に動く七夕、気仙町を中心に喧嘩七夕が8月7日に行われる。南三陸サイクルロード「りくぜんたかた」、全国太鼓フェスティバルは全国から参加者が訪れる。
自然の恵み豊かな陸前高田市は風光明媚であり、それゆえにリゾート地である。スポーツ選手の冬季トレーニング、渓流・海釣りの太公望、夏の海水浴、トレッキングを楽しむ熟年登山者が全国から訪れる。
とにかく屋外レジャーについては何でもありである。レジャー後は是非陸前高田の自然の幸を地元の酒、醤油で味わっていただきたい。運がよければ知る人ぞ知る地元産のお茶、筍、岩牡蠣、松茸、枇杷、柚子などを味わえるかもしれない。
春もよし、夏もよし、秋もよし、そして冬もよし、陸前高田は一年中よいところである。
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