あとがき

昨年も内外で天変地異が続き、平穏無事とは行かなかった。政治に目を向けると12月16日に衆院総選挙があり野党である自民党が民主党の自滅により結果的に圧勝となり、脱(卒)原発を唱えた党は今ひとつ国民の理解を得ることは出来なかった。脱原発と訴える以上は、それによってもたらされるマイナス面をどうするのか良く説明すべきであったと思う。年末の新聞に目を通すと、「安倍首相、原発新設を明言」、「原発東芝の受注有力 フィンランドとチェコで入札」などの活字が躍る。石原慎太郎さんが言う「狸みたいな顔をした経団連の会長」は大喜びであろう。

12月16日に開催した「いわて医協セミナー」では消費税と相続税を取り上げた。消費税は来年4月から8%、翌年には10%に上がることになる。社会保険診療は非課税とされていて、医療機関では薬品などの購入の際に5%の消費税を支払っているが、患者さんからは受け取っておらず、いわゆる「控除対象外消費税」として払いっぱなしの状態である。これが現状では診療報酬の何と2.2%を占めている。消費税導入の際は医療機関の仕入れに支払う消費税に相当する金額を診療報酬に上乗せするということであったが、政府の医療費抑制政策と相まって上乗せ分が不十分となり、一体診療報酬のどこに入っているのか分からなくなった。いずれにせよ現在の仕組みのまま、8%増税では経営が危なくなることは確実である。日医では社会保険診療に関して消費税を課税として、控除対象外消費税をなくした上で、さらに患者さんに負担をかけさせないようなシステムにするように要望している。新政権には是非、この考え方を支援していただきたいものである。

平成24年11月3日(土)に帝国ホテルで開催された全国医師協同組合連合会の第40回通常総会で、菅原克郎元常務理事に対し、8年間にわたりJMCニュースに「南蛮図」を投稿したという功績により表彰状と金一封が贈られた。実にめでたく長い間のご苦労に敬意を表し、心よりお祝いを申し上げたい。

常務理事 逢坂 宇一

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